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へんさいじょき

貢太郎見聞録

田中 貢太郎

田中貢太郎『貢太郎見聞録』。同一底本的分册已合并为一书。收入:変災序記、死体の匂い、日本天変地異記。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 29,162 字 · 59 页

青空文庫

安政には既に元年六月十五日になって、山城、大和、河内、和泉、摂津、近江、丹波、紀伊、尾張、伊賀、伊勢、越前の諸国にわたって大きな地震があった。

十一月四日の地震は、その日に東海、東山の両道が震い、翌日になって、南海、西海、山陽、山陰の四道が震うたが、海に沿うた国には海嘯があった。この地震は豊後海峡の海底の破裂に原因があって、四国と九州が大災害を被っている。

二年の地震は、紀伊、淡路、阿波、讃岐、伊予、土佐、豊前、豊後、筑前、筑後、壱岐、出雲、石見、播磨、備前、備中、備後、安芸、周防、長門、摂津、河内、若狭、越前、近江、美濃、伊勢、尾張、伊豆一帯が震うて、摂津、紀伊、播磨、阿波、土佐、伊豆の諸国には海嘯があったが、この地震は江戸の地震と言われるだけに江戸が非常にひどかった。武江年表には「十二月細雨時時降る、夜に至りて雨なく天色朦朧たりしが、亥の二点大地俄に震ふこと甚しく須臾にして大厦高牆を顛倒し倉廩を破壊せしめ、剰さへその頽れたる家家より火起り熾に燃えあがりて、黒煙天を翳め、多くの家屋資財を焼却せり」と言って、地震と共に二十四箇所から火が起って惨害をほしいままにしたことを書いてある。