轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ひんみんくらぶ

貧民倶楽部

泉 鏡花

「北海道毎日新聞」1895(明治28)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 55,333 字 · 111 页

青空文庫

彼とこれとは背と腹のごとし。両々相待ちて(彼の件)という物体となる。(なぞと拈る奴さ)

==今朝のね、彼の件==というに到りて、小間使は直ちに呑込み、「何の奥様、誰が饒舌ますもんですか。」「ああ、そうだろうとは思うけれども、きっとかえ。」

秀は誓うがごとく、「はい、きっと。」

「きっとだよ。」御念の入ること夥し。

夫人が態度の厳粛なりしは、犬の手品を見附けたる故にはあらで、「きっと。」をいわんとて、屹とせるなりと、小間使は観察しつ。ほっと一呼吸、汗を入れぬ。心の内で、「まず可かった。」「あら、口笛の音がするよ。」と綾子は耳を欹てたり、戸外にて喨々と二声三声、犬は疾風のごとく駈出だして、「変だ。」と思うまに見えずなりぬ。

「秀。」

小間使はまたギクリ。

「飼主が戸外に居たと見えるよ、犬を内へ入れたのは何だか気懸ではないかい。」「はい、気味が悪うございますねえ。」

「皆にそう申して夜分は気を着けるが可い。」「三太夫様に申しましょう。」

おや、風説をすれば、三太夫、罷出でて、「はッ番町の姫様、御入来にござりまする。」

先登第一は小浜照子、在原夫人その後より、追次取次来る客は皆慈善会にて見たりし顔なり。