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あかいえりまき
赤いえり巻き
小川 未明
「童話研究」1928(昭和3)年9月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,686 字 · 8 页
」
「いいえ、ほんとうです。」と、お花は答えました。
田舎の姉が、しんせつに買ってくれたものを、たとえ捨てたにしろ、捨てたとはいわれなかった。とんびは、よくものをさらってゆく。だから、とんびがさらっていったといったら、だれでもしかたがないと思ったからであります。
子供たちだけは、お花のいったことをほんとうだと信じました。そして、大人たちは、お花はお花らしいうそをいうものだといって、笑ったのであります。
* * * * *
ちょうど二年めの春であります。お花の姉が、病気にかかったので、お花は、田舎へ帰ることになりました。もう、そのころは、彼女は、東京のほうが、田舎よりもよかったので、帰るのをいやがりました。
「また都合がついて、出てこられるようになったらおいで。」と、家の人々は、お花の帰るのを惜しんだのでした。
彼女は、ふたたび田舎の人となってしまった。その後、たよりがありません。東京の夏の空に赤い雲が、旗のようにただよって見えると、
「お花のえり巻きのような雲だね。」と、坊ちゃんがたは、空を仰いでいいました。
「ほんとうに、とんびがさらっていって、捨てていったのかもしれないよ。