轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
えちごじし
越後獅子
羽志 主水
「新青年」博文館、1926(大正15)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,114 字 · 15 页
次に現場の踏査に移り、慎重に視察した揚句、署長にそう言って屍体のあった周囲二メートル平方の広袤を、充分に灰を篩わせた。
「此屍体は、大学へ送って解剖に附することに仕ましょう。何れ明日に廻りましょうナ」
署長の井澤さんは得々然して、
「マア此事件も大事にならずに済み相ですネ、犯人が、手拭が自宅の物だと自白はして居るし……」
「井澤さん、大事にならずに済み相だ事は私も同感ですが、犯人とか自白とか云うのは如何ですか。夫れは此焼けた屍体が、他殺だと決った場合でしょう、今では、勝次郎が承認したと云うべきでしょう」
「エッ之が他殺じゃ無いかも知れんと云われますか?」
「確定は解剖の結果に俟たなくては成らないが、今私一個の推定では、他殺では無さ相です」
「ジャ自殺ですか」
「自殺とも思いません」
「そ、そんな、之丈証拠が揃って……」
「イエ、小生は他殺でもなく自殺でも無い、変死と思います、過失の為の火傷死でしょう。
小生の左様考える訳は、屍体は煤や灰で、ひどく汚れて居るが、之を綺麗に払拭って視ると、肌の色が、屍体と思われないほど、鮮紅色がかって紅光灼々として居ることだ。
色合の佳い屍体を視たら、先ずチャン化合物中毒か、一酸化炭素中毒を考えろと、法医学は教えて居ます。