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ろじょう
路上
午炮响后,图书馆陷入诡异的寂静,大学生俊助埋头书海,时间随着指针流逝,但这份平静下似乎藏着什么在悄悄酝酿。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 43,539 字 · 87 页
その雨の中を歩いて行く俊助の心は沈んでいた。彼は藤沢の声を思い出した。大井の顔も思い出した。それからまた彼等が代表する世間なるものも思い出した。彼の眼に映じた一般世間は、実行に終始するのが特色だった。あるいは実行するのに先立って、信じてかかるのが特色だった。が、彼は持って生れた性格と今日まで受けた教育とに煩わされて、とうの昔に大切な、信ずると云う機能を失っていた。まして実行する勇気は、容易に湧いては来なかった。従って彼は世間に伍して、目まぐるしい生活の渦の中へ、思い切って飛びこむ事が出来なかった。袖手をして傍観す――それ以上に出る事が出来なかった。だから彼はその限りで、広い世間から切り離された孤独を味うべく余儀なくされた。彼が大井と交際していながら、しかも猶俊助ズィ・エピキュリアンなどと嘲られるのはこのためだった。まして土耳其帽の藤沢などは……
彼の考がここまで漂流して来た時、俊助は何気なく頭を擡げた。擡げると彼の眼の前には、第八番教室の古色蒼然たる玄関が、霧のごとく降る雨の中に、漆喰の剥げた壁を濡らしていた。そうしてその玄関の石段の上には、思いもよらない若い女がたった一人佇んでいた。