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かいことてんぼう

近世数学史談

高木 貞治

高木貞治『近世数学史談』。同一底本的分册已合并为一书。收入:回顧と展望、ヒルベルト訪問記。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,981 字 · 25 页

青空文庫

らしく,例の六週間を聴いていると,そういう統一的の精神が基調になって,非常に面白く聴かせた.今時青年諸君に,「数学に三つの大きなAがある」といったら承知しないだろう.今は唯一つの小さなaだ.即ち abstract だというであろう.今の数学は抽象法で統制されているが,クラインは既に四十年前に,彼の幾何学的方法を以って,統制を小規模ながら im Kleinen にやって居たのである.だから名前も Klein だ.これは悪謔だけれども,嘲笑ではない.実はクラインに対する敬慕親愛の表現である.クラインはよく空虚なる一般論 leere Allgemeinheit ということを言った.これも一つの大きいAだが,それは浅薄無用なる一般論を指弾したのであろう.クラインが今生きて居たら,現今の抽象数学を空虚な一般論としたであろうか.否,そうではあるまい.クラインは何でも彼でも具体化せねば承知しなかったが,それは具体的なる表現を要求したのである.具体と抽象とは,言葉の上では,反対のようだけれども,数学統一の精神は同一である.唯浅薄と固陋とがいけないのである.

「回顧」