轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
こんどういさみとかがく
近藤勇と科学
直木 三十五
「文藝春秋増刊・オール讀物号」1930(昭和5)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,465 字 · 28 页
「見苦しい。お互様だ」
一人は、隣の人に
「俺の甲は、明珍の制作で、先祖伝来物だが、これでも、弾丸は通るかのう」
首を伏せて、鎧の袖を合せ乍ら、こう聞いたので
「さあ」
と、答えた刹那、明珍の甲をつけた男は、甲の上から、両手で、頭をかかえて、唇を歪めた。
「やられたかっ」
男の顔を見ると、苦痛で、顔中をしかめていた。
最後の列の兵は、素早く、軒下へ飛込んで、軒下づたいに逃出した。一人が、敵へ尻を向けて、大急ぎに、四つん這いに這い乍ら、逃出すと、二人、三人、と、周章てて、這い出した。
「見苦しいぞ、磯子、鈴木っ」
軒下の兵が、軒下を伝って逃げ乍ら、敵に尻を向けて這っている兵へ、怒鳴った。兵は、黙って、もっと急いで、手足を動かした。
御香ノ宮の敵は、新撰組の退却するのを見ると、塀から、次々に乗越えて、槍をもって進んできた。
「止まれっ」
土方が叫んだ。
「出たっ」
「出たっ」
口々に叫んで立上った。塀の上に、又白煙が、いくつも、横に並んで、森の中へ消えていった。十四五人が、鬨を上げて、走り上ると、敵は、周章てて、塀の中へ、隠くれてしまった。そして、銃声が、硝煙が、激しくなった。