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ちかごろのわだい
近頃の話題
宮本 百合子
「東京日日新聞」1937(昭和12)年7月17~21日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,932 字 · 14 页
ユウジン・リオンスという人はU・P特派員として六年ソヴェトにいたのだそうである。この人の文章を読むと、作家というものに対して筆者の抱いている評価、理解の低俗さに、どんな作家でも芸術の階級性以前の問題として一種の公憤を感ずるであろうと思う。
リオンスの作家観をもってすれば、芸術院へ入ることを正宗白鳥氏がことわったことも、藤村氏が辞退したことも、荷風氏が氏の流儀ではねつけたのも、悉くわけのわからないことになるのである。リオンスによれば「一般に作家というものは、だいいち人間が一般にそうなのだが、信念などよりも、収入の方を大事にするものだ」そうである。孜々として鼻息をうかがっているものなのだそうであるが、リオンスはそういう皮肉そうな言葉づかいでとりもなおさず自身の事大主義的な性根を暴露しているのである。
そうかと思うと、勝野金政の小説がのっており、私はこの小説がどんな意企で、なんのために書かれたか知らないが、やはり感想を動かされた。
今日の社会の事情の裡で、小説にしろ、どういう題材、どういう主題がどの程度にかき得るかということについては、常識が鋭敏にされて来ている。