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めいしんとしゅうきょう
迷信と宗教
井上 円了
在线阅读井上 円了《迷信と宗教(めいしんとしゅうきょう)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 151,147 字 · 298 页
第四六段 迷信の利害 五(利少害多)
守田宝丹という人は、なかなかマジナイ信仰家で、家を出ずるたびごとにマジナイをするほどの人であった。ある日の午前、余が同氏をたずね、座敷で話を交えておる間に、肥やし屋が大便をくみ取りに来て、臭気座に満つるありさまであった。そのとき奥より女中来たり、「香でもたきましょうか」とたずねたれば、宝丹翁曰く、「香よりもマジナイの方がよい」といいつつ、自ら立って湯のみ茶碗を縁側のさきに、なにか唱えながら伏せた。しかして翁は、「これで、さらに臭気がせなくなった」といわれたが、余には毫も臭気の減じたるを感ぜぬ。そのとき余は、マジナイは実に厄介のものだと思ったことがある。これを信ずる当人に利があっても、信ぜぬ他人に迷惑をかけるから、やはり害あって利なしといわねばならぬ。
民間にて狐つきを落とす法として、ぶったりたたいたり、松葉の煙にて苦しめたりするなどは、大害あることもちろんであるが、伝染病にかかりたるとき、医者にも見せず医薬も用いず、つまらぬマジナイを信用しておるなどは、実に寸益なくして大害あるものといわねばならぬ。
第四六段 迷信の利害 五(利少害多)
以上四段にわけて論ずるところを差し引き勘定すれば、有利有害五分五分のようなれども、実際上、利よりも害が多いということは争われぬ結論である。