轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

とうめいねこ

透明猫

海野 十三

「少年読物」1948(昭和23)年6月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 10,223 字 · 21 页

青空文庫

六さんは、えらい鼻息であった。そしてその夜、青二をつれて、近所の奥まった家へつれこんで、すごいごちそうを注文し、酒をもってこさせて、大宴会をやった。

六さんの体に酒が入ると、急にことばがからんで来た。

「やいやい、坊や。なんだってお前は、まだ帽子をとらねえんだ。おれを甘くみてやがるとしょうちしねえぞ。こら、帽子をとれ。手前はこの総裁六さん――じゃあねえ、何とか六麿のアソンを何と思ってやがるんだ」

そばにいた女たちが、六さんをとめたけれど、六さんはとうとう青二におどりかかって、その帽子をひったくってしまった。

「ああっ――」「きゃあ――」えらいさわぎが起った。

六さんは一ぺんに酒のよいがさめてしまうし、女たちは悲鳴の声をひきながらその座敷からにげだした。

なぜ。青二の帽子の下には、なんにもなかった。首のない青二が、そこにめいわくそうに動いているだけだった。

六さんは、腰をぬかしてしまって、口をぱくぱく開くがひとこともいえなかった。

さて、その夜のさわぎもどうやら片づいて、六さんと青二は、そこを引きあげた。そのとき六さんは、口どめ料として、そのうちへ五万円を出した。