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とうめいねこ
透明猫
海野 十三
「少年読物」1948(昭和23)年6月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 10,223 字 · 21 页
そしてもう一度、その二つの玉の方へ両手をもっていった。
「あ、――」ふしぎな手ざわりを、青二は、感じた。毛の密生した動物の頭と思われるものに、ふれたからであった。
ふしぎな発見
「……猫の頭のようだが、しかしそんなものは見えないではないか」なんという気持ちのわるいことだろう、と青二は思った。
しかしこのとき彼は、さっきとはちがって、もうよほど落ちつきをとりもどしていた。もう一度その毛深い動物の頭にさわり、それから、おそるおそる下の方へなでていった。
全くおどろいた。たしかに、猫と思われるからだがあった。しっぽもあって、ぴんぴんうごいていた。足のうらには、たしか猫のものにちがいない土ふまずもあるし、爪もついていた。しかしそれは全く見えないのであった。
青二は、いよいよおどろいたが、もっとしらべをつづけた。
青二の目に見える二つの玉は、どうやらこの猫の目玉であるらしく思われる。
それから新発見があった。見えない猫の二本の前足が、細いゴムのバンドで結んであることだった。そのゴムのバンドは、草むらの中にあって、よくよく見ないと、青二の目には、はいらない場所であった。