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とうめいねこ

透明猫

海野 十三

「少年読物」1948(昭和23)年6月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 10,223 字 · 21 页

青空文庫

二階へあがったものの、青二は、ちょっと困ってしまった。このあやしい動物をどこへおいたらいいかということだ。そのままおいておけば、きっと出ていってしまうだろう。逃げられたんでは、いやだ。

戸棚に入れようか。いや、猫はふすまを破ることなんか平気だから、戸棚では安心ならない。

「青二や。なにをしておいでだい。ご飯ですよ。早くおりていらっしゃい」

はしご段の下から、母親が二階へ声をかけた。

「はーい。今行くよ」

さあ、どうしようかと、青二は困ってしまった。

が、困ったときには、よく名案がうかぶものである。青二は、机のひきだしをひっぱりだして、ひもを探した。赤と青のだんだらの、荷物をくくるひもがあった。それを出すと彼はあやしい動物の後足二本を、そのひもでいっしょにぐるぐるしばってしまった。

こうすれば、このあやしい動物は、前足も後足も二本ずつしばられているんだから、もう歩くことができない。歩くことができなければ、この部屋から、出てゆくこともない。よしよし、これなら大丈夫と、青二はそれがすむと、机の上にそっとおいて、はしご段を下へおりていった。

夕飯のおぜんを、母親とかこんで、いつものように食べた。