轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

とじょうのはんにん

途上の犯人

浜尾 四郎

「犯罪科学」1930(昭和5)年11月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,477 字 · 38 页

青空文庫

相手は教師だという以上、教育上からこの風潮に対して、恐らく反対の気勢をあげるのだなと私は思った。

「あなたは今ただ田舎の教師だとおっしゃった。紹介のない相手にいきなり口をきいて、しかもその人の意見をはかせる以上、僕は君自ら、はっきりとお名乗りになるのが礼儀だと考えますが……」

「これは申しおくれて相すみません」

彼はこう云いながら、上衣のポケットから余りきれいでないシースを取り出し、その中から一葉の名刺を抜き出して私に手渡した。

見ると、それには『相川俊夫』という四字が印刷されてあった。

「T市から数里隔った××という村の小学校に勤めて居ります。どうぞよろしく」

なめくじ男は、ここで今更改まってピョコンと一つおじぎをした。

私が一応はっきり切り込んだので、なめくじ男は、話の腰を折られたと見えて、暫時黙った。

そのかわり、私の前のシートにゆったりと腰を落ち付けて、何か考えて居る。

列車は既に沼津を過ぎて鈴川あたりを走って居る。

晩春の美しい森や小川を眺めながら私はつとめて気分をまぎらわそうとつとめた。

相川というなめくじ男はこの時、ふと外套のポケットからウイスキーの罎を取り出して、