轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ゆけるマクシム・ゴーリキイ
逝けるマクシム・ゴーリキイ
宮本 百合子
「婦人公論」1936(昭和11)年8月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,396 字 · 17 页
これはゴーリキイを苦しませ、恐怖させた。
ゴーリキイの胸には「何かぼんやりとした、しかし私が見たすべてよりももっと意義ある何物かへの欲求」があるのである。ゴーリキイの心には周囲の生活に対する切ない反問が生じた。「何のためにこれ等のすべてがあるのであろうか?」
この時代にゴーリキイは或る予期しないきっかけから当時ロシアに擡頭していた「人民派」の学生達と知り合い、その研究会へも出席するようになった。ゴーリキイは天成の素直さ、鋭い清廉な感受性によって、ここに生活を少しでもいい方に向けようと努力している一団の人々を発見したのであった。
然し、学生の討論や、退屈な経済学の本の講義はゴーリキイにどうしても馴染めない。まして、ゴーリキイを目の前において、「生えぬきだ!」とか「民衆の子だ!」とか感歎する当時の学生の子供っぽい気分も彼に、ばつの悪い思いをさせた。五つの時からその日まで彼が揉まれ、既に「人間をつくるものは周囲の環境への抵抗である」と感じている民衆生活の現実の中で、ゴーリキイは学生の云うような民衆は見ていない。民衆はその惨苦な生活で実に夥しい才能、善良さを浪費させられているのである。