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じんるいのせいぞんきょうそう

進化と人生(上)

丘 浅次郎

丘浅次郎『進化と人生(上)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:人類の生存競争、教育と迷信、誤解せられたる生物学、人道の正体、生物学的の見方、生物学より見たる教育、戦争と平和、動物界における善と悪、脳髄の進化、民族の発展と理科、理想的団体生活。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 82,343 字 · 164 页

青空文庫

されば外国人に指先が器用だとほめられたならば、これはまだ器械の応用が幼稚なことをあざけられたのであると解釈して、さらにいっそう奮発するくらいでなければ真の一等国とはなれない。指先が器用というても実は高の知れたもので、簡単な木の箱でさえドイツで器械を用いて精巧に組み合わせて造ったものは、わが国の最も上手な指物師に命じたとてとうてい真似もできぬ。

わが国が今日一等国と称するにいたったのは、ただロシアに勝ちえたというだけで、戦争以外の方面を見ると以上述べたとおり、はなはだ残念ながら三等国や四等国にも劣っているかと思うことがすこぶる多い。小学校の各学年で一等の生徒というのは読み方、書き方、綴り方、算術、図画、手工、体操といずれもそろうてよくできる生徒を指すので、決して体操一科のみが上手な生徒をいうのではない。これと同じく真の一等国なるものは戦争に強いのみならず、殖産工業も、交通機関も、教育学問も、すべてそろうて他にまさった国でなければならぬ。単に一回の戦争に勝ちえたという理由で、他の欠点をすべて忘れて、実際一等国の仲間に加わりえたと思うのは、あたかも小学校の運動会で競争に勝ちえた生徒が、真に一番になったつもりで、読み方、綴り方など大切な科目の点の悪いのを忘れているがごとく全く理に合わぬことで、次回の試験にはいかなる