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じんるいのせいぞんきょうそう
進化と人生(上)
丘 浅次郎
丘浅次郎『進化と人生(上)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:人類の生存競争、教育と迷信、誤解せられたる生物学、人道の正体、生物学的の見方、生物学より見たる教育、戦争と平和、動物界における善と悪、脳髄の進化、民族の発展と理科、理想的団体生活。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 82,343 字 · 164 页
の生物を採集し、これについて実験観察する必要がある。しかるに生物の種類の数はきわめて多く、その中で食物、衣服、装飾等の材料となって、直接に人生と関係を有するものはむしろ少数であって、その他はみな普通の生活をする人間より見れば何の価値もない物ばかりであるが、生物学上より見ればいずれも研究の材料として同じく価値を有するものゆえ、生物学を研究する者はいかなる種類の生物でも必要に応じて採集するが、これが世間一般の人々からはよほど奇態に見える。特に人間には何でも集めて楽しむ性質を備えた者があって、郵便の古切手やマッチの貼紙までを集めるゆえ、蛭や蚯蚓などを集めるのも、やはり右と同様な一種の道楽のごとくに思われ、これを研究する学問ならばおそらく実際の人間社会とは何らの交渉もないきわめて縁の遠いものであろうと推察せられ、生物学の真の目的はいかなる辺に存するかを尋ねるにおよばずしてついにそのままに終わるのである。
かくのごとく生物学自身に世人から誤解を招くべきおそれある性質をおびたる上に、従来の博物家なるものの態度も大いに生物学を誤解せしめることを助けた。全体世人が博物家と名づける者の中には真に程度の低い者がある。