轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かっこうのおとずれ
郭公のおとずれ
中谷 宇吉郎
「婦人公論」1940(昭和15)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,509 字 · 3 页
その絨毯のように手入れの行き届いた芝生の上を娘さんたちは跳ね廻って、とても喜んでいたそうである。そして芝生の上で大学の畜産教室で作った本当のアイスクリームを御馳走になって、いよいよお別れという時に、挨拶があった。そしたら娘さんの一人が立って、お礼の言葉をのべた。その最後に、今度はいろいろの土地を見せて頂いたが、札幌くらい愉しかった所はなかった。特にどの土地でも卒業生の方には随分お世話になったが、御主人まで御一緒に案内して頂いたのは、此処が初めてだった。私たちもお嫁に行くのなら、札幌へお嫁に来たいものだと言ったそうである。「どうもこの頃の娘たちには敵わないよ」とこの半白の好紳士は苦笑をしていた。
札幌には何処かこういう西洋ふうな匂いのするところがある。そして夏に札幌を訪れる人たちの心持をも、何となく浮き浮きとさせるような雰囲気がある。
この雰囲気をかもす一つの要素は、さらさらとした夏の着物の感触にあるのではなかろうかという気がする。そうすると札幌の人たちはよほどこの水蒸気の少ない夏の空気に感謝すべきなのであろう。
(昭和十五年六月)