轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

とかいのなかのことう

都会の中の孤島

坂口 安吾

「小説新潮 第七巻第四号」1953(昭和28)年3月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,205 字 · 27 页

青空文庫

つまりこの二人がミヤ子を独占したいという気持はヨソ目にもそれだけ強烈なものが見えたのである。

やや冷静な常連の中には、どうもミヤ公の情夫は二人のほかにホンモノがいるんじゃないかな、と思いつく者もあった。

ミヤ公はこの店の女中にすぎない。店の主人は引揚者の夫婦で、この商売に経験もなく、また内心好感をもたないどころか嫌悪の念さえいだいていながら、暮しのために仕方なしにやってるような様子があった。主人夫婦はまったくお客に背を向けて、店のことはミヤ子にまかせッぱなしのような様子でもあった。

ミヤ子は店に寝泊りして、自分の部屋へ平気でお客を泊めた。しかし、午すぎにどこへか外出してくることが多く、それは早めに店へ現れる常連が自然に気附くことであった。

「ミヤ公に情夫がいるね」

と主人夫婦にきいても、

「知るもんですか、あの子のことなんか」

という返事で、ミヤ子の私行についてのみならず、その相手のお客全部についても敵意をいだいているような様子であった。

この夫婦はみだりに敵に顔を見せてムダな話の一ツもしなければならないハメになることを極度にさけて、もっぱら裏面に於てミヤ子をつついて、冷酷ムザンに敵から金をまきあげることだけ考えているらしかった。