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よっぱらいぼし
酔っぱらい星
小川 未明
「赤い鳥」1920(大正9)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,116 字 · 9 页
「坊が、そんなにほしいなら、一羽やろうかな。」と、おじいさんはいいました。
佐吉の小さな心臓はふるえました。耳たぶがほてって夢ではないかと思いました。おじいさんは、どれでもほしい鳥をやるといいましたので、くびまわりの赤い、かわいらしいうそがほしいと答えました。
そのおじいさんは、ほんとうにいいおじいさんでありました。その鳥をかごから出して、佐吉にくれました。佐吉は、天にも飛び上がるような気持ちで家へ持って帰りました。そしてかごの中に入れて、大事に飼ったのであります。うそはすぐそのかごに馴れて、毎日戸口の柱に懸けられて、そこでいい声を出してさえずっていました。佐吉は、このうえなく、うそをかわいがりました。
佐吉のお母さんは、やさしいお母さんでありましたが、ふとした病気にかかりました。佐吉は、夜昼しんせつにお母さんの看病をいたしました。けれど、お母さんの病気は、いつなおるようすもなく、だんだん悪くなるばかりでしたから、どんなに佐吉は心配したかしれません。しかし、そのかいもなく、お母さんは死んでしまわれました。佐吉は悲しみました。しかもその間に、うそに餌をやることを忘れていましたので、あれほどまでにかわいがっていたうそまで、また、いつのまにか死んでしまいました。