轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ななこ
野菊の墓
伊藤 左千夫
伊藤左千夫『野菊の墓』。同一底本的分册已合并为一书。收入:奈々子、隣の嫁、春の潮。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,271 字 · 144 页
奈々子
その日の朝であった、自分は少し常より寝過ごして目を覚ますと、子供たちの寝床は皆からになっていた。自分が嗽に立って台所へ出た時、奈々子は姉なるものの大人下駄をはいて、外へ出ようとするところであった。焜炉の火に煙草をすっていて、自分と等しく奈々子の後ろ姿を見送った妻は、
「奈々ちゃんはね、あなた、きのうから覚えてわたい、わたいっていいますよ」
「そうか、うむ」
答えた自分も妻も同じように、愛の笑いがおのずから顔に動いた。
出口の腰障子につかまって、敷居を足越そうとした奈々子も、ふり返りさまに両親を見てにっこり笑った。自分はそのまま外へ出る。物置の前では十五になる梅子が、今鶏箱から雛を出して追い込みに入れている。雪子もお児もいかにもおもしろそうに笑いながら雛を見ている。
奈々子もそれを見に降りてきたのだ。
井戸ばたの流し場に手水をすました自分も、鶏に興がる子どもたちの声に引かされて、覚えず彼らの後ろに立った。先に父を見つけたお児は、
「おんちゃんにおんぼしんだ、おんちゃんにおんぼしんだ」
と叫んで父の膝に取りついた。奈々子もあとから、
「わたえもおんも、わたえもおんも」