轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ななこ
野菊の墓
伊藤 左千夫
伊藤左千夫『野菊の墓』。同一底本的分册已合并为一书。收入:奈々子、隣の嫁、春の潮。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,271 字 · 144 页
「あなたのおとッつさんが、いくらやかましくいっても、二人を分けることはできないさ。いよいよ聞かなけりゃ、おとよさんを盗んじまうまでだ。大きな人間ばかりは騙り取っても盗み取っても罪にならないからなあ」
「や、親父もちょっと片意地の弦がはずれちまえばあとはやっぱりいさくさなしさ。なんでもこんごろはおかしいほどおとよと話がもてるちこったハヽヽヽヽ」
佐介がハヽヽヽヽと笑う声は、耳の底に響くように聞える。省作は夜の十二時頃酔った佐介を成東へ送りとどけた。
省作は出立前十日ばかり大抵土屋の家に泊まった。おとよの父も一度省作に逢ってからは、大の省作好きになる。無論おとよも可愛ゆくてならなくなった。あんまり変りようが烈しいので家のものに笑われてるくらいだ。
* *
* *
省作は田植え前蚕の盛りという故郷の夏をあとにして成東から汽車に乗る。土屋の方からは、おとよの父とおとよとが来る。小手の方からは省作の母が孫二人をつれ、おはまも風呂敷包みを持って送ってきた。おとよはもちろん千葉まで同行して送るつもりであったが、汽車が動き出すと、おはまはかねて切符を買っていたとみえしゃにむに乗り込んでしまった。