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きんぞくにんげん
金属人間
海野 十三
「サイエンス」1947(昭和22)年12月~1949(昭和24)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 78,616 字 · 157 页
「あなたが、その場からお逃げになったのはどういうわけです。逃げなければならない理由はないと思いますがね」
「なあに、あの場でわあわあさわがれるのがいやだったからだ。それにわしは――わたしはぼろ服をまとって変装していたのでね。新聞記者にでもつかまれば、いいネタにされてしまうから、こいつは逃げるにかぎると思って逃げたんだ」
博士の説明は、水を流すように、よどみがなかった。
「まあ、それで――茶釜がこわれたので、Qは解放されて、自由に動きまわれるようになったのですね」
「そのとおりだ。それでマネキン人形をつけて、それをあやつるようになったんだが、その途中Qは、じぶんのからだの一部分が欠けていることに気がつき、それを一生けんめいにさがしてあるいた形跡がある。そこにいる蜂矢君のところへも、Qはおしかけたようだ。そうではなかったかね、蜂矢十六先生」
さっきから蜂矢十六は、検事と博士を底辺の二頂点とする等辺三角形の頂点の位置に腰をかけて、からだをかたくして聞いていたが、とつぜん博士に呼びかけられて、はっとわれにかえった。
「ああ、そんなこともありました。博士のおっしゃるとおりです」