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きんぞくにんげん

金属人間

海野 十三

「サイエンス」1947(昭和22)年12月~1949(昭和24)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 78,616 字 · 157 页

青空文庫

検事はほっとした。

博士もなんとなくなごやかな顔にもどった。

「では、失礼しましょうや、長戸さん」

蜂矢がうながした。博士に一礼すると、カバンを抱えるようにして、戸口から外へでた。

さて、その翌日のことだったが、きのうとおなじ顔ぶれの長戸検事一行が、針目博士邸へ向かった。もちろんその中に蜂矢探偵もまじっていた。その蜂矢は、いつになく元気がなかった。

「おい、蜂矢君。どうしたんだ。元気をだすという約束だったじゃないか」

気になるとみえ、長戸検事は蜂矢のそばへ行って肩を抱えた。

蜂矢は苦笑した。

「どうもきょうは調子が出ないのです。ぼくだけ抜けさせてもらえませんか」

「それは困るね。ここまでいっしょにきたのに、いまきみに抜けられては、おおいに困るよ」

と、検事はいって、蜂矢の顔をのぞきこんだが、蜂矢はほんとうにすぐれない顔色をしているので、検事はきゅうに心配になって、

「うむ、蜂矢君。抜けていいよ。早く帰って寝たまえ。あとから医務官を君の家へさし向けてあげる」

といって、蜂矢が一行とはなれることをゆるした。そこで蜂矢はとちゅうからひきかえした。

ところが、検事一行が博士の門の手前、百メートルばかりのところまで近づいたとき、