轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

すずきもんど

鈴木主水

久生 十蘭

「オール讀物」1951(昭和26)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,827 字 · 26 页

青空文庫

舞っている女がどうこうと吐したを、たしかに聞いた。もう一度そこで申してみろ」

「はずみに申した下司の痴言、お聞捨てにねがいます」

「はずみとは言わせぬ。三度もおなじことを申したは、所存があってのことだろう。聞いてやる、隠さずに言え」

主水はいよいよ平伏して、御高家御同座では申しあげかねることなので、おゆるしねがいたいと言うと、宗春卿はお糸の方のほうへ底意のある眼づかいをしながらニヤニヤ笑いだした。同座の一統もとんだ座興とばかり、盃をひかえて聞くかまえになった。言え、言われぬの掛合のうちに政岑は焦立って来、佩刀をひきつけて片膝を立て、いまにも斬りつけるかという切羽詰ったようすになったので、主水も覚悟をきめたらしく、「お耳の汚れとは存じますが、では申します」といってこんな話をした。

そこにおいでの御中※(「藹」の「言」に代えて「月」、第3水準1-91-26)は、町方にいてお糸といっていられた頃、馴合った踊の朋輩だった。いつか思い思われる仲になり、行末を契ったこともあったが、そのうちに仲絶えて行会えぬようになった。俤は胸にとまって忘れたこともなかったが、このほど押原殿の養女として、上のご寵愛になったのは意外ともまた意外。