轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
てつのきりつ
鉄の規律
平林 初之輔
「新青年 第一二巻第一〇号」1931(昭和6)年8月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,016 字 · 30 页
語尾はひどくふるえていた。二人の聞き手は身体をむずむずと動かした。
「どんな理由で?」七十六号がききかえした。
「理由は自分にもわからん、それにわかっていても諸君に言う必要もなければ、諸君もまた知る必要もない。中央委員の命令は絶対だ。諸君はそれを実行すればよいのだ。諸君には中央委員の命令を審議する権能はないのだ。このことは既にじゅうぶん承知のことと思うが――」
「だが、こんな重要問題の場合は――」
「重要であるかないかすら諸君は知ることを許されていないはずだ。諸君はただ、与えられた命令事項を完全に遂行する手段さえ考えればよいのだ」
七十六号は沈黙した。
「よし実行を誓う!」しばらくしてから、彼は沈痛な声で言った。
「二百二十四号は?」三十号が厳粛にたずねた。
「むろん異議なし」
「では」と三十号は少し言葉の調子をかえて言った。「諸君も承知のとおり、我々の組織には、あらゆる階級と、あらゆる身分と、あらゆる職業と、あらゆる年齢との、最も有為な男女が網羅されているから、諸君は必要な人間を幾人でも本部に申告して諸君の目的に使用することができる。だが、その手続きは今夜の十一時までにとらねばならぬ。