轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ぎんさんじゅうまい
銀三十枚
国枝 史郎
「新青年」1926(大正15)年3月~5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,863 字 · 73 页
物を集めるということは、自分の趣味性を充たすと同時に、やはり具眼者に見て頂いて、その批評を承わるのが、目的の一つでございますからね」
佐伯準一郎氏はこんなことを云った。
慇懃で如才なくて魅力的で、断わりかねるような云い方であった。そこで私は行くことにした。こうして私の見せられたのは、伝説の銀三十枚であった。
11
私の話を聞いてしまうと、妻は一層不安そうにした。
「それでお借りしていらっしゃったのね。まあ本当に仕方のない方!」
バタバタと階下へ下りて行った。
箪笥を引き出す音がした。
彼女は書斎へ帰って来た。
「さあ比べてご覧なさい」
彼女は指環を投げ出した。
「ね、白金じゃアありませんか」
指環は白金に相違なかった。それが白金であるがために、彼女はそれを虎の子のように、奥深く秘蔵していたものである。私は二つを比べてみた。銀三十枚と指環とを。
私は変に寒気立った。二つは全く同じであった。
「おい、こいつア同じだ」
「贋金でなくて白金よ」
「この大きさでこの重さ……」
「数にして三十枚よ。さあお金に意もったら? ああ妾にゃア見当がつかない」
「おい、自動車を呼んで来い!」