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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

野村胡堂『銭形平次捕物控(十)金色の処女』。同一底本的分册已合并为一书。收入:銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 137,868 字 · 278 页

青空文庫

「皆んな、隠せるものなら隠す方がいいって言いますが、私はあんまり口惜しいから、親分の力を借りて、下手人を見付け、二度とそんな事のないようにしてやりたいと思います」

駒次郎は、女の子のように、少ししなを作ってお辞儀をしました。色の白さも、襟の青さも、裾を引く単衣の長さも、そのまま芝居に出て来る二枚目です。

「隠すの、下手人の――って、一体それは、どんな事で?」

「親分、聞いて下さい。昨夜向柳原の十三屋のお曾与が殺されましたよ」

「えッ」

「母親と一緒に風呂へ行った帰り、――一と足先に帰って来たところを路地の中で絞められて――」

「それを隠しておく法はない、誰がそんな事を言い出したんだ」

「私の家の番頭達が言い出し、十三屋へは金をやって、うやむやにするつもりでした」

平次も驚きました。向柳原の名物娘が一人、絞め殺されて死んだのを、うやむやに葬るというのは、あまりと言えばわけが解らなさすぎます。

「十三屋のお曾与は、お前さんところへ嫁入りするはずだったじゃないか」

十三屋の文吉が、娘のお曾与を伊丹屋に嫁入りさせることになった話は、平次の耳にもよく聞えていたのです。

「そうですよ、祝言は三日の後――この二十五日ということになっていました」