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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
在线阅读吉川 英治《随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 213,575 字 · 424 页
小さい土器を売っている。
土器投げだ。伊香保かどこかで、やったことがある。たしか、落語にもあった。なんという落語だったか忘れたが、文楽がうまい。
茶店の主人公、それを持ち出して来て、まず、お手本を示す。文楽が高座でやるほどな妙はないが、じつによく飛ぶ。われもわれもと始め出す。ぼくもやる。マ氏は大いに気に入ったらしい。第一なかなか衆愚に交じって来ない嘉治さんが夢中になった。
夕月の色ふかい谷間の古戦場へ、土器の散蓮華がヒラヒラ舞い落ちてゆく様は、これはぼくらが無心にやっている童戯といえ、一つの供養といえるかもしれない。無自覚に菩薩行をやっているのだと思ったらなお愉快だった。いや、そう思ったりしてはもう供養でもなんでもなくなるが、何か、長い世紀にわたる人間の生態が、おもしろいものだという諦観へは否みなく誘われてゆく。
なべて人間世界の諸業を“遊戯”と観じる思想にも否定し難い何かがある。
芭蕉のいう――兵どもの夢のあとは、それに近い。もののあわれもそうだ。こういう考え方はおそらく東洋人の共通的な感傷で、人類の最難問題の解決には、なんの寄与するところはないかもしれない。