轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ざっきょかぞく

雑居家族

壺井 栄

「毎日新聞」1955(昭和30)年3月25日~8月15日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 140,106 字 · 283 页

青空文庫

」

「はい。毎度ありがとうござい――」

小僧はもういりそうもないおかみさんのかいがいしさに兵六さんは少々がっかりした。それでも勇をふるって、

「大旦那は、いますかね。」

「あ、今すぐきますよ。」

いいも終らぬうちに隠居は見知らぬ男と一しょに裏の倉庫の方から出てきた。男はほうきの卸屋だったらしく、店の前にあったほうきを積んだ車をひいて帰っていった。

「さ、鷲さん。どうぞ、どうぞ。まあこっちへ。」

あいそのよい隠居にさそわれてあがりがまちへ座ぶとんまで出されると、兵六さんはつい、われにもなく涙ぐんでいた。

その翌日である。

――ええ、ほうきはいかがです、ほうき。お座敷ぼうきにしゅろぼうき。上等で安いほうきはいらんかね――

この呼声をきのう三河屋の隠居は何度も自分でいってみて、伝授してくれたのだが、実地にあたってみるとそうたやすく声になって出てくるものではない。

――ええ、ほうきはいらんかね、ほうき。お座敷ぼうきにしゅろぼうき……

兵六さんはそれを家並のとだえたところでいってみる。何のいんねんか、ほうき屋のあとへたずねていったために、荒物の商いもしている三河屋の隠居はさっそくの思いつきでほうき売りをすすめたのである。