轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ざっきょかぞく

雑居家族

壺井 栄

「毎日新聞」1955(昭和30)年3月25日~8月15日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 140,106 字 · 283 页

青空文庫

車の主は四十そこそこの男だ。兵六さんのそばに車をとめると、今やんだ合唱団の一々を紹介でもするように、口まめに呼びたてた。

――ええ、荒物からかなもの、おもちゃから雑貨、化粧品などいろいろとりそろえてあります。ご参考までにごらんください。えーおさかなの網からもち網、荒神ぼうきからびん洗い、かんきりつめきりから小ばさみ洋服かけ、大きな十能から小さな十能、七輪の網から渋うちわ、かみそりからひげブラシ、ホークにおさじにほうちょうにまないた、ちりとりごみとりお座敷ぼうき……

調子のよさにうっとりとして聞きほれていた兵六さんもお座敷ぼうきと聞くと思わずぎくりとして目を見はった。ほうきは貧弱なのが二本、車の後に立てかけてある。兵六さんのよりはるかに安物らしい。草も少なく柄も細い。なぜともなく兵六さんはほっとして男の顔をみた。しかし雑貨屋はなかなかの精力家らしくその呼び声はみずみずしく、女相手の商売がらかあいきょうにみちていた。

――ええ、毎度ありがとうございます。荒物からかなもの、化粧品から雑貨、何から何まで市価より一割安から半値まで、本日の元値売りは十円のライオン歯みがきが二つで十五円、はたきに灰ふるい、タワシにおさいばし、つめきりせんぬき渋うちわ、お玉じゃくしに庖丁さし、どれがいくらこれがいくらといわずみんな十