轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
「毎日新聞」1955(昭和30)年3月25日~8月15日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 140,106 字 · 283 页
「そいつぁうまくないよ浜ちゃん。これは、やっぱり一おうお安さんに相談するのが道じゃないかね。いいにくかったら、わしがいってやるがね。」
「いやだ、あのおばさん、めんどくさいんだもん。」
投げすてるように浜子はいう。
「めんどくさい! そんなことあるもんか。あれは出来た人だよ。」
「いやだ。そのものわかりのいいような顔されるのが、しゃくなのよ。」
「えらい鼻いきだね。じゃあ、お安さんは全然知らんのかね。」
「もう知ってるかもしれないわ。おねえさんにだけはいっといたからさ。」
「ほう。じゃあ、その、なにかね。めんどくさいというわけは、あれかね。」
「あれって、何よ。」
「文吉さんの、あれかね。」
「いやだア どうだっていいじゃないのそんなこと。」
さすがの浜子も赤くなった。その赤くなったことで、兵六さんは、これはてっきり文吉が相手だと察した。そうだとすればなおのこと、浜子ひとりのいい分をとおさせるわけにはいかぬと思う。音枝をはじまりに、冬太郎、夏樹と、よい子持ちらしい形はとっているが、栗本夫婦には直接自分の血を分けた子供というものがないのだ。それは人生にとってどれほどさびしいことかと六十の兵六さんは思う。