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りこんについて
離婚について
宮本 百合子
「女性の歴史」1948(昭和23)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,587 字 · 15 页
たとえ長兄の妻、弟の妻が子供たちとともに逃げて行くような実家をもたないときでも。
こういうことは、日本の「家」の義理にしばられる女のやりかたではない。少くとも兄嫁が家にのこっているとき、次弟の妻が自由に行動するというようなことは普通にはあり得ない。
結婚が、本人たちの生涯にかかわる問題でなくて、「家」の問題であることから生れた悲劇は、中国と日本の文学にみちあふれている。郭沫若の自伝に、その切ない物語がある。魯迅でさえも、その人間らしい誠実な一生のうちに、この悲劇の一筋をふんでいた。夏目漱石の「行人」は、日本の大正年代の知識人の「家」から蒙っている苦悩こそ、テーマである。
憲法が改正されて、民主的という本質には遠いけれども、人間として男女が平等のものと扱われるようになった積極的な価値はあきらかである。この社会にともに働き、ともに生きる男と女とが、その基本的な人間としての権利において互に等しいものであるというわかりきったことが、現世紀の半ばになって、しかも、こんなに深刻な破局をとおして、やっと成文にかかれたということは、むしろおどろくべきことだと思う。