轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ゆきのよる
雪の夜
小林 多喜二
在线阅读小林 多喜二《雪の夜(ゆきのよる)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,967 字 · 31 页
と無愛想に言った。
二人ともちょっと黙った。女は彼をじっと見ていた。
「上るの?」
「金がないんだ」そう言って、「いくらだ」ときいた。
女は龍介の手をつかむと指を二本握らした。「これだけ……」龍介の眼から女は眼を放さずに言った。
「ない」
女は龍介の顔にちょっと眼をすえた。それから「うそでしょう?」と言った。
「うそは言わない」
また女は彼を見た。
「じゃ……」女は一本指を握らしてから、次に五本にぎらした。
「だめだ」龍介はそう言った。
女はフンといったようにちょっとだまったが、首を縮めて、「寒い」と独言のようにひくくつぶやいた。そして、「いくら持っているの?」ときいた。女は両手を袂の中に入れて、寒そうに足駄をカタカタと小きざみにならした。
「景気はどうだ」
「ひッとりも!」案外まじめさを表面に出して言った。彼はその女にちょっと好意を感じた。「お話しにならないの。主人は……不機嫌になるでしょう……ご飯もろくに喰べさせないワ……それに、……」女は頭を二、三度振ってみせて、「ね、ね」と言った。根元のきまらない日本髪がそのたびに前や横にグラグラした。「お客さんがないと髪結賃もくれないの。