轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
でんきぶろのかいしじけん
電気風呂の怪死事件
海野 十三
「新青年」博文館、1928(昭和3)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,788 字 · 34 页
3
だが、赤羽主任の推定が真実であったことは、一同が向井湯を引上げて本署へ立ち帰った時に判明した。
「主任殿、御苦労さまでした。非常線にひっかかった怪しい奴は、みんな留置所へ打ち込んであります。そして、たった一人全くおかしな奴がいるんです……」
一行の帰署を待ち構えていたもののように報告する一人の刑事の言葉を聞いて、赤羽主任はおっ冠せて云った。
「……束髪の女装をした奴で、名は樫田武平とね、然うだろう?」
「おお、よく御存じで。此間一度、軟派の事件で始末書を取った奴です」
満足そうに同行の部下を顧た赤羽主任は、初めて愉快らしい笑みを浮べた。
樫田武平の取調べの結果、事件の一切は判明した。
彼は、かねて、若い女が苦悶して死んでゆく所を映画に撮ろうという、大それた野心を持っていたのだ。それは、多分に彼の変態性の欲望が原因したのであったが、職業とする所の趣味道楽が、ひどく凝り固ったことも一部の因をなしていた。で、彼は種々と研究と計画を廻らした結果、それが夢でなく実現することが出来ることを発見した。それには、彼の行きつけの風呂向井湯という、電気風呂を利用することが、最も容易な手段であったのだ。