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でんきばと
電気鳩
海野 十三
「幼年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1937(昭和12)年8月~1938(昭和13)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 25,465 字 · 52 页
さっそく、けがをした伝書鳩第一号のもちかえった紙きれをもって、憲兵隊へとどけでたのでまもなく一隊の洋服すがたの憲兵が、トラックにのってミドリの家にのりつけました。
さあ、なにごとがはじまるのでしょうか。
憲兵さんの話によると、なんでも、すごい電気鳩をつかう外国のスパイがいりこみ、なにか、しきりにわるいことをたくらんでいるとは、わかっていたが、そのスパイ団がどこにいるのかわからなくてこまっていたのです。ところがいま、高一少年のおかげで、ほら穴のひみつがしれたので、大よろこびです。
「さあ、電気鳩退治だ」
と、憲兵さんは力をこめていいました。
「電気鳩さえ退治してしまえば、スパイ団も水をはなれた魚のようによわってしまうだろう」
ミドリは、それよりもお父さまと高一兄さんとを、早くたすけてください、とたのみました。
いよいよあやしいほら穴にむかうことになって、憲兵さんたちは、こまった顔をしました。そのほら穴へは、どう行けばいいのでしょう。
そこへ、おりよく愛犬マルが、足をひきながらかえってきました。
「ああマルか……。兄ちゃんは?」
ミドリは、すぐ庭にとびだしてみましたが、高一のすがたはどこにもみえません。