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でんきばと
電気鳩
海野 十三
「幼年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1937(昭和12)年8月~1938(昭和13)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 25,465 字 · 52 页
高一とミドリは、いそいで鳩舎にかけつけました。すると、鳩舎の上には一羽の鳩がのこっていました。
「オヤ、へんな鳩がいるぞ」
「うちの鳩じゃないわ。どこのでしょう」
それは、みなれない鳩でした。
ふつうの伝書鳩なら、ぜんしんは石板色で、首のところに金みどりのぶちがあるのですが、いま鳩舎の上にのこっている鳩は、からだの色が、紺青で、そしてつばさのさきには、ふとい金のすじが二本とおっていて、よくみればみるほど、かわった鳩でした。その上その鳩は、まるでつくりもののあしでもつけているように、みょうに両足をひきずって歩くくせがありました。
「もっとよく見てやろう」
と、高一は鳩舎の方にちかづきました。
そして青い鳩に、ぐっと手をのばしたところ、思いがけなくもゆびさきが、電気にふれたときのようにぴりぴりとしびれました。
「あっ――」
と、高一はおどろいて手をひっこめました。そのとき鳩は羽をふるわせて、急にくるりとむきをかえると、きみのわるい羽ばたきをして、さっと空にまいあがりました。が、そのとびかたのすばやいことといったら、まるで戦闘機が地上から、おおぞらへむかって、棒上りにのぼるのとかわりません。