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あおいランプ

青いランプ

小川 未明

「週刊朝日 17巻7号」1930(昭和5)年2月9日

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 6,233 字 · 13 页

青空文庫

「もし、人の知らない島を発見したいというようなお考えをもたれたら、一度、外国へ渡って、学問をして、それから、遠い、遠い、船出をしなければなりません……。」と、外国人は、さとしました。

お父さんは、なるほどとうなずきました。外国人は近所に、小さな家を建て、そこに住みました。家のまわりにはいろいろの草花の種子をまきました。夏になるとそれらが、赤・黄・緑、さまざまの花が咲いて美しかったのです。ちょうや、はちは、終日花の上を飛びまわっていました。外国人はそれを見て、自分のふるさとのことなどを思い出していました。

どうかして、国へ帰りたいと思いましたけれど、どうすることもできなかったので、自分は、一生をこの村で送るのでないかと考えたこともあります。お父さんは、よくこの人をたずねてゆきました。そして、あちらの話を聞いたり、言葉などをならったりして、家へ帰ると、窓のところで、青いランプをともして、夜おそくまで勉強をしました。ランプの青い光は、海の方からも見えたのであります。

ある夏の午後、外国人は、遠眼鏡で沖の方を見ていました。すると、あちらの水平線を大きな黒い船が通るのでした。