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あおいいしとメダル
青い石とメダル
小川 未明
「婦人倶楽部」1932(昭和7)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,652 字 · 8 页
「いつか、僕に見せた、あの青い石となら、換えてもいいよ。」
ややしばらくしてから、徳ちゃんが、こう答えました。
「あの、僕が、田舎から持ってきた、青い石かい?」
こんどは、勇ちゃんが、目をまるくしたのです。
「ああ、あの青い石となら、換えてもいいな。」と、徳ちゃんは、勇ちゃんの顔を見ました。
「あの、青い石は、大事なんだがなあ。」と、勇ちゃんは、考えていました。
「あの石でなければ、僕も、いやだ!」と、徳ちゃんが、いいました。
「万年筆だといいのだがなあ……。君、万年筆では、だめかい?」
「あんな、君んちの、姉さんの持っていた、お古なんかいやだ。」
「じゃ、青い石と換えようよ。」と、勇ちゃんは、メダルがほしいばかりに、つい決心しました。
「ああ、換えよう!」
徳ちゃんは、青い石が、前から、ほしかったので、にっこりしました。勇ちゃんは、自分の家へ青い石を取りに駆けてゆきました。
この、青い石というのは、勇ちゃんが、夏休みに、遠い北のおばあさんのところへいったとき、垣根のきわの、道の上に頭を出していたのです。あまりに、青くて、きれいだったので勇ちゃんは、棒きれでいっしょうけんめいに、その石を掘り出しました。