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せいねんのいきるみち

青年の生きる道

宮本 百合子

「青年文化」1946(昭和21)年5月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,672 字 · 14 页

青空文庫

青年の気持をほんとうに反映して向上して行こうとする心の貯水池によりかかろうとしている。青年団のどこでもがこの頃はさかんに演芸会をやっている。失われた笑いと大声で遠慮なく喋ることと、人前に立って遠慮なく振舞う自由さを若者らしい陽気な演芸会が振りまき始めている。自分をどういう形にして、正直に表現して行くという大切な人間らしい習慣は、特に日本では重大に考えられなければならない。中学生は、工場に働く人々は、渾名をつけることの名人である。兵隊も渾名をつけることはうまい。どんなしかつめらしい髭を生やしていても彼等から渾名をつけられることは避けられない。渾名は大衆的な批判である。青年が渾名をつけることの名人であるという一つの事実の中に、隠されている大きな真理がある。その事実の中に、自からの批判力によってこそ青年は未来をつくる、歴史をつくるといわれる必然があるからである。

五十になった時、一冊の本さえ読まないじじいでも、十六の時、十八の時、せめて一冊の講談本は読んでいるだろう。少し真面目な若者は、人生の拡がりを自分のものとしたいと思って、読書をねがう気持は痛切である。