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『しゅっけとそのでし』のついおく

青春をいかに生きるか

倉田 百三

倉田百三『青春をいかに生きるか』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『出家とその弟子』の追憶、愛の問題(夫婦愛)、学生と教養、学生と生活、学生と先哲、学生と読書、女性の諸問題、人生における離合について、婦人と職業、芸術上の心得。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 94,413 字 · 190 页

青空文庫

上は板間合はず、四壁はあばらに、雪降り積りて消ゆる事なし。かゝる所に敷皮うちしき、蓑うちきて夜を明かし、日を暮らす。夜は雪雹雷電ひまなし。昼は日の光もささせ給はず、心細かるべき住居なり」

こうした荒寥の明け暮れであったのだ。

承久の変の順徳上皇の流され給うた佐渡へ、その順逆の顛倒に憤って立った日蓮が、同じ北条氏によって配流されるというのも運命であった。

「彼の島の者ども、因果の理をも弁えぬ荒夷なれば、荒く当りたりし事は申す計りなし」

「彼の国の道俗は相州の男女よりも怨をなしき。野中に捨てられて雪に肌をまじえ、草を摘みて命を支えたりき」

かかる欠乏と寂寥の境にいて日蓮はなお『開目鈔』二巻を撰述した。

この著については彼自ら「此の文の心は日蓮によりて日本国の有無はあるべし」といい、「日蓮は日本国のたましひなり」という、仏陀の予言と、化導の真意をあらわす、彼の本領の宣言書である。彼の不屈の精神はこの磽の荒野にあっても、なお法華経の行者、祖国の護持者としての使命とほこりとを失わなかった。

佐渡の配所にあること二年半にして、文永十一年三月日蓮は許されて鎌倉に帰った。