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『しゅっけとそのでし』のついおく
青春をいかに生きるか
倉田 百三
倉田百三『青春をいかに生きるか』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『出家とその弟子』の追憶、愛の問題(夫婦愛)、学生と教養、学生と生活、学生と先哲、学生と読書、女性の諸問題、人生における離合について、婦人と職業、芸術上の心得。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 94,413 字 · 190 页
知識の真の源泉は生そのものの直接の体験と観察から生まれるものであることを忘れてはならない。「直接にそしてラディカルに」このモットーを青年時代から胸間に掲げていなくてはならぬ。
けれどもいうまでもなく個人がすべてを実地に体験し得るものでもなく、前にいった人間共生と共働の原理により、他人の体験と研究の遺産と寄与とを受けて、自らを富ますことは賢明であり、必要であり、謙遜でもある。
この意味においては、書物とは見ざるを見、味わわざるを味わい、研めざるを知得するためにあるものである。それどころではない、思わざるを思うためにさえもあるものである。すなわち、自己独りではとうてい想望できなかったような高い、美しいイデーや、夢が他の天才の書を読むことにより、自分の精神の視野に目ざめてくるのである。
聖書を読むまでと、読後とでは、人間の霊的道徳性はたしかに水準を異にする。プラトンとダンテとを読むと読まないとではその人の理念の世界の登攀の標高がきっと非常に相違するであろう。
高さと美とは一目見たことが致命的である。より高く、美しいものの一触はそれより低く一通りのものでは満足せしめなくなるものである。