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『しゅっけとそのでし』のついおく

青春をいかに生きるか

倉田 百三

倉田百三『青春をいかに生きるか』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『出家とその弟子』の追憶、愛の問題(夫婦愛)、学生と教養、学生と生活、学生と先哲、学生と読書、女性の諸問題、人生における離合について、婦人と職業、芸術上の心得。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 94,413 字 · 190 页

青空文庫

かように書物と知性から離れて端的に神の啓示につくまでの人間超克の道程に読書があるのである。読書は無意義ではない。啓示を指さす指である。解脱への通路である。書を読んで終に書を離れるのが知識階級の真理探究の順路である。

現代青年学生は盛んに、しかしながら賢明に書を読まねばならぬ。しかしながら最後には、人間教養の仕上げとしての人間完成のためには、一切の書物と思想とを否定せねばならぬものであることを牢記しておくべきものである。

キリストのいうように「嬰児」の如くになり、法然の説く如くに、「一文不知の尼入道」となり、趙州の如くに「無」となるときにのみ、われわれは宇宙と一つに帰し、立命することができるのである。

五 知性か啓示か

今日この国の知識階級の前には知性か啓示かの問題がおかれている。知性主義は主として現在の文化指導者たちによってとなえられているものである。そして今のところ青年学生はこの知性主義を支持し、それが読書の方向を支配しているかに見える。

われわれはインテリゼンスの階層である読書青年が今その旺盛な知識欲をもって、その知的胃腑を満たし、また思考力を操練せねばならないとき、知性の拡充よりもその揚棄を先きに説かんと欲するものではない。