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『しゅっけとそのでし』のついおく
青春をいかに生きるか
倉田 百三
倉田百三『青春をいかに生きるか』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『出家とその弟子』の追憶、愛の問題(夫婦愛)、学生と教養、学生と生活、学生と先哲、学生と読書、女性の諸問題、人生における離合について、婦人と職業、芸術上の心得。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 94,413 字 · 190 页
おん身はおん身の愛する者のために死にあたふや?
しかり、あたふ。我が愛する者のために死なんはいと大いなる幸福なり。よろこびてこそ死なめ!
これはイタリアの恋愛詩人ダヌンチオの詩の一句である。
畏きや時の帝を懸けつれば音のみし哭かゆ朝宵にして
これは日本の万葉時代の女性、藤原夫人の恋のなやみの歌である。彼女は実に、××に懸想し奉ったのであった。
稲つけばかがる我が手を今宵もか殿のわくごがとりて嘆かな
これは万葉時代の一農家の娘の恋の溜息である。
如何にせんとも死なめと云ひて寄る妹にかそかに白粉にほふ
これは大正時代の、病篤き一貧窮青年の死線の上での恋の歌である。
私は必ずしも悲劇的にという気ではない。しかし緊張と、苦悩と、克服とのないような恋は所詮浅い、上調子なものである。今日の娘の恋は日に日に軽くなりつつある。さかしく、スマートになりつつある。われらの祖先の日本娘はどんな恋をしたか、も少し恋歌を回顧してみよう。
言にいでて言はばゆゆしみ山川のたぎつ心を塞かへたりけり
思ふこと心やりかね出で来れば山をも川をも知らで来にけり
冬ごもり春の大野を焼く人は焼きたらぬかもわが心焼く