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『しゅっけとそのでし』のついおく
青春をいかに生きるか
倉田 百三
倉田百三『青春をいかに生きるか』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『出家とその弟子』の追憶、愛の問題(夫婦愛)、学生と教養、学生と生活、学生と先哲、学生と読書、女性の諸問題、人生における離合について、婦人と職業、芸術上の心得。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 94,413 字 · 190 页
人間共存同悲とは、かかる心持をいうのであって、これなくしては共同体の真の結紐はできないのである。また人と人との結合は一つの運命であって必ずしもそれが世法に相応しく行われるとは限らないものである。そこに個人生活と社会生活との不調和を生じて悲劇を生むものであるが、それらのいきさつについてあまりに厳しく裁いてはならない。これはもとより望ましきものではないが、それは人間苦悩の哀れむべき相であって、またそれを通じて美しき人間性の発露もあり得る。日本民族独特の情死の如きは、もっと鞏固な意志と知性とが要求されるとはいえ、またそうでなければ現われることのできない人心の結びと契いとの機微があるのである。梅川忠兵衛がもし心中しなかったら、世間の人情はさらに傷つくかもしれないだろう。ダンテは神曲においてポーロとフランチェスカとの不義の愛着を寛大に取り扱った。しかしながら現代の男女としてはかような情緒にほだされていわゆる濡れ場めいた感情過多の陥穽に陥るようなことはその気稟からも主義からも排斥すべきであって、もっと積極的に公共の建設的動機と知性とをもって明るく賢く快活に生きるべきであろう。