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『しゅっけとそのでし』のついおく
青春をいかに生きるか
倉田 百三
倉田百三『青春をいかに生きるか』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『出家とその弟子』の追憶、愛の問題(夫婦愛)、学生と教養、学生と生活、学生と先哲、学生と読書、女性の諸問題、人生における離合について、婦人と職業、芸術上の心得。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 94,413 字 · 190 页
されているのである。
倫理学を迂遠であり、机上の空論であるとして軽視するのはただ目先きだけの短見にすぎない。真に社会に善事を成さんとする志有る者は軽忽に実行運動に加わる前に、しばらく意志を抑制して、倫理学を研究する必要があるのである。何が社会的に善事であるかを知らずして実行することは出来ず、行為の主体が自己である以上は自己と社会との関係を究めないわけにはいかないからである。それ故に倫理学の研究は単に必要であるというだけでなく、真摯な人間である以上、境遇が許す限りは研究せずにはいられないはずの学問なのである。
五 根本問題の所在
この小さな紙幅に倫理学の根本問題を羅列することは不可能である。しかし具体的に問題の所在を示すために二、三の例証を引くことは絶対に必要である。
先ず道徳思想と道徳との弁別の問題がある。リップスによれば、モラールは時と処と人とによって異なる道徳的見解、要求の類であり、如何なる民族も、階級も、個人もそれぞれこれを持っている。かかるモラールには真に道にかなう因子が含まれているに相違ないが、人間が人間である限り、道にかなわぬものが混じているのを免れない。