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『しゅっけとそのでし』のついおく
青春をいかに生きるか
倉田 百三
倉田百三『青春をいかに生きるか』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『出家とその弟子』の追憶、愛の問題(夫婦愛)、学生と教養、学生と生活、学生と先哲、学生と読書、女性の諸問題、人生における離合について、婦人と職業、芸術上の心得。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 94,413 字 · 190 页
学生と生活
一 学窓への愛と恋愛
学生はひとつの志を立てて、学びの道にいそしんでいるものである。まず青雲を望み見るこころと、学窓への愛がその衷になければならぬ。近時ジャーナリストの喧声はややもすれば学園を軽んじるかに見える。しかし今日この国に必要なのはむしろ新しき、健やけきアカデミーの再建である。学生にして学窓への愛とほこりとを持たぬことは自ら軽んじるものである。もとより私といえども今日学生の社会的環境の何たるかを知らぬものではなく、その将来の見通しより来る憂鬱を解せぬものでもない。しかもそれにもかかわらず私は勧める。夢多く持て、若き日の感激を失うな。ものごとを物的に考えすぎるな。それは今の諸君の環境でも可能なことであると。私は学生への同情の形で、その平板と無感激とをジャスチファイせんとする多くの学生論、青年論の唯物的傾向を好まぬものだ。夢見ると夢見ぬとはその環境にあるのでなく、その素質にあるのだ。王子が必ずしも夢見はしない。が大工の息子もまた夢見る。如何なる時代にあっても青年が夢見なくなるということはあるまじきことであり、もしあるなら人類は衰亡に向かったものである。