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『しゅっけとそのでし』のついおく
青春をいかに生きるか
倉田 百三
倉田百三『青春をいかに生きるか』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『出家とその弟子』の追憶、愛の問題(夫婦愛)、学生と教養、学生と生活、学生と先哲、学生と読書、女性の諸問題、人生における離合について、婦人と職業、芸術上の心得。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 94,413 字 · 190 页
これは青春のすぎ去った者のしみじみ思うところである。そして青春の幸福を長く保とうとねがうならば、童貞を長く保たねばならぬ。学生時代を童貞ですごすことは一生から見て、少しも損失ではない。これは冷淡な教父の如き心でいうのでなく、現実的な考慮を経ていうのである。つまり女を知るの機会は、もし欲するなら、壮年期に幾らでもあるからである。
もっとも二十五歳まで女を知らなければ、知りたいための悩みを持つであろう。しかしその悩みは青春そのものの本質なのだ。それが青春の独特な歓楽をつくり出すところの種箱なのだ。それが青年を美しくし、弾力を与え、ものの考え方を純真ならしめる動機力なのだ。
私は青春をすごして、青春を惜しむ。そして青春が如何に人生の黄金期であったかを思うときにその幸福を惜しめとすすめたくなるのだ。そしてそれには童貞をなるだけ長く保つべきだ。
しかし何かの運命でそれをすでに失ってしまったものはやむを得ない。そのひびの薄れるように、そのまわりに結締組織のできるように修養すべきだ。傷をいやすレーテの川、忘却というものも自然のたまものだ。絶対的にのみ考えなくてもいい。