轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
19 両国の大鯨
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,435 字 · 27 页
まるで本門寺のお会式のような有様。
高物師の深草六兵衛。浅草の奥山で生れて奥山育ち、まだ歳は若いが才走った胆の太い男。日本じゅうを草鞋がけで走りまわって、いつもどえらい物をかつぎこんで来る。安政二年には長崎から大錦蛇を、三年の夏には駱駝と麒麟を持って来た。六兵衛が小屋をかけると、因果物などはばったり客足がとだえてしまうので、又の名を八丁泣かせの六兵衛ともいう。
この六月、金華山へあがった流鯨にポンと投げだした五百両。
建てあがり十間の小屋掛をし、鯨が潮を噴いている三間半の大看板をあげる。鼠木戸を二カ所につくって三方に桟敷をしつらえ、まンなかの空地へ鯨をころがしてこれを鯨幕で四方からかこい、いよいよ客がつまると一挙にぱッと幕を取りのけ、黒天鵞絨に金糸銀糸で鯨波を刺繍した裃を着た美しい女の口上つかいが鯨の背に乗って口上をのべる。それがおわると、鳴海絞りの着物に、表黒白裏の鯨帯をしめた女の踊子が十人ばかり出て来て、
※(歌記号、1-3-28)白いと黒と巻きついたら、鯨帯みるようでしまりがよかろ、セッセセッセ。
と、鯨節にあわせて踊る。これでおしまい。
なにもかも鯨づくめのところがご愛嬌。