轻松读懂日语经典作品
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ふうちそう
風知草
宮本 百合子
「文芸春秋」1946(昭和21)年9~11月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 44,107 字 · 88 页
十月十日に解放された徳田・志賀の名で発表されたパンフレット型の「赤旗」は重吉がかえって間もなく出版され、広い範囲での話題となっていた。其を読むほどの人々は、様々な期待、要求、満足、不満足に、おのずからこの十数年間濃くされて来た個人個人の気質や生きこしかたの色と匂いを絡み合わせて、其について語っていた。忙しくなってゆく迅さは、重吉が市中の混雑や、つっけんどんな乗物の出入りに馴れるよりも急速であった。永年長い道を歩いたことのなかった重吉は、怪訝そうに、
「変だねえ、どうしてこんなところが痛いんだろう」
靴下をぬいで、ずきずき疼く踵をおさえた。
「やっぱり疲れるんだろうか」
「そうですとも! あれだけの間に、わたしたちが会って話の出来た時間が、一体どの位あったとお思いになる? たった百八九十時間ぐらいよ、まる八日ないのよ。ですもの……およそわかるわ、一日にどんなに少ししか歩かなかったか……」
前の晩、おそくまでお客があって、その朝、ひろ子は、起きぬけからすこしあわてた。重吉は、入念に新聞をよみ、紙を出して何かノートを書きつけ、その間には荒れている庭を眺めて、