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もちのタタリ
餅のタタリ
「講談倶楽部 第六巻第一号」1954(昭和29)年1月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,869 字 · 18 页
パチンコ開店
平吉の提案で村の有志が会合した。席上、平吉は沈痛な面持で立上り、
「杉の木も高熱を発して寝こんだそうであるが、自業自得とは云いながら、まことに気の毒なことである。彼を罰するには情に於て忍びがたいところであるが、彼がそもそもかかる悲運におちいって高熱を発するに至ったのも、即ちひとえにウスとキネを村内に持ちこんだがために祖先の霊のタタルところとなったがためである。即ち彼のウスとキネを焼却することは、祖先の霊をなぐさめて村の安泰をはかるためばかりではなくて、彼の生命を救うことにもなるのである。ここに我々は強力な村民の決議をもって、彼のウスとキネを焼却させたいと思うが、いかがであろうか」
「それはよい考えだ。昔から一村こぞッて餅を食べない習慣の村だから、一軒だけ餅をたべるというのは村のためによいことではない。村の者は同じ一ツの心でなければならないから、杉の木のウスとキネは焼いた方がよいな」
こういう決議がきまって、平吉が代表の先頭に立って、助六の病床を訪れ、
「お前もウスとキネのために御先祖様御一統のタタリをうけて、まことに気の毒だ。そのタタリを払うためにウスとキネを焼くことにきまったから、これからは心を入れかえて、みんなと仲よくやってもらいたい」